今回は花岡線のお隣、小坂製錬小坂線(廃止時の名称)を散策してきました。
花岡線と同日の散策だったのでこちらもかなり駆け足になってしまいましたが色々撮れたので写真と共に昔話を交えながら語っていきたいと思います。
小坂線
小坂線は秋田県大館市の大館駅から小坂町の小坂駅までを結んでいた路線で、1909年から2009年まで営業していました。旅客営業は1994年に廃止しています。
大館
大館駅に着いてすぐ派手に僕をお出迎えしてくれたのはのはこちらのハチ公様でした。
かつて小坂線と花岡線が発着していたホームの跡には秋田犬の里なるものが出来ていました。ホームがあり貨物を留置していたこの場所は少し前までただの広い空き地だったのですが、久々に顔を出したら色々変わっていて驚きました。
怪しげな小屋があります。中には足こぎのレールバイクがしまってあります。
大館駅が変わりすぎていて困惑しましたが、ただの廃線跡だった頃とは違って賑やかになりこれはこれでとてもいいですね。
廃線マニアの僕としては少し寂しいですが、廃線跡が新しい姿に変わっていくのもまた見ていて楽しいものです。
ここはJR大館駅のすぐ近くにある小坂線の貨物を留置しておくスペースだったのですがここはまだばっちり残っています。
地理院地図で昔の航空写真を見ると、ここに道路はなくここにある何本もの線路はすべて大館駅につながっていたみたいですね。
大館駅からすぐの踏切。ご存じの方も多くいらっしゃる思いますが、ここはかの有名なロープ式踏切だった場所です。廃止してからはロープが取っ払われポールが真っ黒に塗られた状態で、しばらくの間放置されていたのですが今は再塗装され、ちょっとしたアートになっています。
ちなみに道路上の線路は完全撤去されています。足元を見るとぶつ切りになった線路。
以前花岡線跡のときも紹介しましたがこの残っている線路が小坂鉄道跡で、左の開いているスペースが花岡線の廃線跡です。ここから100mくらい行くと花岡線が左へ別れて行きます。
ここの踏切も数年前に来たときは草ぼーぼーでただの廃線の踏切だったのですがちょっとしたアートになっていました。踏切本体の配置も少し変わり、道が広くなったので車での右左折がかなりしやすくなったのではないでしょうか。
樹海ドームをバックにパシャリ。
岱野駅
こちら岱野駅です。駅舎は綺麗に保存されています。周辺の草がなくなっていてスッキリしていました。駅舎の中を覗いたらかなり綺麗に整理されていたので何かイベントなどがあるときに解放しているのではないかと思われます。線路も僅かな区間ではありますが遊歩道として再利用されていました。遊歩道も駅舎同様普段は解放されておらずイベント時のみ利用できるみたいですね。
東岱野駅
東岱野駅跡ですが、ここに駅があったとわかるものはありませんでした。奥には㈱大館製作所があります。
途中にある廃線跡
レールバイク乗り場への入り口
レールバイクに乗りたい方は樹海ライン途中にある雪沢温泉清風荘さんの看板やレールバイクと書かれた旗が目印です。興味のある方は是非清風荘さんにも寄ってみてくださいね。
新沢駅
数年前小坂鉄道を訪れたときの新沢駅です。このときはまだ形を保っていました。
この前新沢駅の様子を数年ぶりに一目見ようと立ち寄ったのですが、駅舎につながる唯一の道が植物によって完全に封鎖され駅舎まで辿り着けませんでした。遠目からほんの少しだけ駅舎が見えたのですが、崩壊していて近づくのはかなり危険そうでした。
茂内駅
茂内駅にやってまいりました。こちらの駅、旅客営業廃止後は信号場として使用されていました。小坂鉄道の途中駅で列車同士がすれ違うことのできる唯一の駅で、タブレット交換も行われていました。
腕木式信号機です。こちらの腕木式信号機ですが雪国仕様でワイヤーが地面ではなく少し浮いた位置に設置されています。
道路を渡る場所のみワイヤーが地中に埋められています。
茂内駅の駅名は表に向けてではなくホーム側からのみ見えるようになっています。ですからここからは見えません。ホームにある駅名表は見えますが。右上写真の看板は最近後付けされたものです。
茂内駅すぐ近くの踏切跡。
小坂駅
同和鉱業キハ2100形気動車。ぼろぼろです。
製造されたのが1962年で旅客廃止が1994年ですので逆にまだ形を保ったまま保存されているのはすごいことです。ちなみにこの形の車両でキハ2105とキハ2107が弘南鉄道黒石線に譲渡され、黒石線が廃止する1998年まで活躍しました。
引き込み線
青線がここまで辿って来た小坂線。赤線が引き込み線。
小坂駅レールパークの駐車場です。たぶんですが今私が立っているこの場所付近が引き込み線だったのではないかと思います。とは言ってもこの辺一帯は線路だったはずなのでどこからが引き込み線かはよくわかりませんが。
樹海ライン側に回ってきました。
この道路が引き込み線だったかは不明ですがこの辺…のはず。もう少し右かな~。引き込み線廃止後はこの道を従業員専用駐車場までの通路として使っていたみたいですね。現在では小坂駅舎の横を駐車場まで道が貫いていますが、以前は駐車場まで進入できない設計になっていましたからここを通って駐車場まで行ってたんですね。
上記の反対側を見ると怪しげな空き地があります。
空き地の先に回ると引き込み線の鉄橋があります。奥に見えるのは小坂製錬。現在、小坂製錬まではパイプラインが引かれていますのでそのために残しているのでしょう。
更に先へ進むと引き込み線の鉄橋がここにもあります。横を見るとパイプが引いてあります。
あとがき
今回訪問した小坂鉄道ですが、歴史を調べると非常に興味深いことも多くとても面白い路線です。開業当初は電化路線で後から非電化路線になったことや、小坂駅まで花輪線が伸びてくる計画あったこと、もし計画が遂行されていたらどうなっていたかと妄想も捗る路線です。
廃線跡は何ヵ所か除いてほとんどがまだ残されています。ただ山の中を走る路線なので散策するなら草木が活発ではない時期をおすすめします。かと言って真冬は雪が降る地域ですので冬一歩手前の時期が良いかもしれません。それから小坂駅はレールパークとして営業しています(冬期間を除いて)ので是非寄って行ってみてください。
おまけ
これにて終点。
それではまたお会いしましょう。